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ナダルインタビュー前編「自分の予想を覆して長いキャリアを築くことができた」

写真は「全仏オープン」優勝後、パリで記念撮影するナダル

ラファエル・ナダル(スペイン)のインタビュー会場は、テレビ、ラジオ、新聞など様々な媒体の記者で溢れかえっていた。キャスパー・ルード(ノルウェー)を破り「全仏オープン」で優勝してから24時間も経たないうちに行われたインタビューだったが、ナダルは満面の笑みで記者の質問に答えていた。

だが、2週間の長い大会によって疲労が溜まった左足の痛みを隠すことはできなかった。立ち上がるたびに足を引きずる様子を見せていたナダルは、やがて痛みを軽減させようと靴を脱いでインタビューに応じた。

ナダルは大会中の心境やチームとの息抜き方法、そして今後の怪我の治療方針などについて語った。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。

Q:「全仏オープン」で14勝目を飾りましたね。誰もこの記録を破れないでしょう。

A:そう思えるかもしれないけど、不可能ではないよ。難しいか?そうだね。どれくらい困難かについては現実的なことを言うと、それが起こるためにはそれなりの状況が必要だ。もし僕ができたなら、他の人にもできるだろう。難しいのは間違いないけれどね。

Q:この優勝トロフィーはあなたにとってどういう意味を持ちますか?

A:「全仏オープン」であるということ、素晴らしい選手たちを倒すことができたこと、テニスの水準という点でとても意味があった。精神的にもね。「ATP1000 インディアンウェルズ」で起こったこと、肋骨を骨折したり、「ATP1000 ローマ」で足を引きずりながら試合をしたり…「全仏オープン」に出場できることは自分で分かっていたけれど、これら全てを端に追いやってテニスに集中して、今回のようなプレーができたということは、僕の心の準備ができていたということだ。

Q:2005年に初めて優勝してから今年の優勝まで、どんなことが起こりましたか?

A:いろんなことが起こったよ。何よりも僕自身の予想を覆して、長いキャリアを築くことができた。すべてのことを乗り越えて、続けたいという願いを持ち続けることができた。周りの人たちが助けてくれたお陰で続けられたことは間違いない。

Q:今おっしゃったあなたのチームは大きいですね。最近はマルク・ロペス(スペイン)が加入しました

A:実質的には、ずっと同じチームと一緒にいる。トニ(コーチだった叔父のトニ・ナダル氏)はチームを去ったけれど、叔父とは頻繁に話している。彼はもう僕の日々のトレーニングには関わっていないけれど、個人的な関わりはあるし、テニスの話もたくさんする。僕が求めるものはいつも同じ、親しい人たちなんだ。マルクは日々のトレーニングのチームにはいなかったけれど、多くの時間を一緒に過ごして、大会でも一緒にいたよ。

Q:今もルドー(ナダルのチームが好むボードゲーム)で勝っていますか?

A:日によるね。全然分かっていないマルクに付き合わなきゃいけないっていう意味で、全く癒やしの時間にならない日もある。ルドーには素晴らしいメリットがある。気付かないうちに2時間経っているし、携帯電話から離れる方法の一つだ。試合の前にチームと一緒に遊んでいるとポジティブになれる。空港や空き時間にもやっているよ。気分転換になるし、みんなと年間ランキングを作って競争している。僕が1位だったけれど、たしか今週は父が僕を抜いた。プレーもせずにね。

Q:「全仏オープン」初優勝から今まで、テニスの面ではどのくらい変化がありましたか?

A:人生では全てが変わる。順応していかなければいけないんだ。以前は、クレーコートではもっと古典的なテニスをプレーしていた、キャスパー・ルード(ノルウェー)のような。今は、僕を含めてそういうスタイルの選手は少なくなっている。だいたい、すべては発展していく。僕は変化し続けてきた。例えばラケットだ。今年の始め、ウェイトとストリングを変えた。ヘッドを重くして、もっとパワーを出せるようにしたんだ。

でも今回の「全仏オープン」の2日前に、昔のラケットに戻した。今はまた新しい方に戻すつもりだけれど、クレーでプレーするには十分なコントロールがあると思えなかった。バボラ[ラケットメーカー]には感謝しなきゃ、1日で僕のためにラケットを準備してくれたんだから。コントロールは改善したと感じているけれど、起こること全てに順応する必要があるんだ。

Q:準々決勝ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)を退けました。あのような素晴らしい試合は他に思い出せますか?

A:2020年の決勝の方が良かったかもしれない。でも今回の方が感情的になった。いいプレーができていたのに、第2セットではうまく勢いを保ち続けられなかった。ここ4ヶ月であんなプレーをしたのは初めてだ。1時間半、それが続いた。もし普通のクレーシーズンの後でジョコビッチと試合をして、あれくらいのテニスができていたなら、3−0でリードしている時に第2セットをキープするのはもっと簡単だっただろうと思う。

経験がなければ、もっと自分に疑念が湧いていただろう。集中力は習慣だ。第3セットで固い決意を持ってもう一度攻撃的になれたのは良かった。素晴らしい試合だったし、会場の雰囲気のお陰でワクワクする試合だったよ。

Q:今年は何度も、ファンが素晴らしいと発言されていますね。

A:ずっと長い間、ファンは僕を温かく応援してくれている。観客が試合を見に来られない時もあったしね。新型コロナウイルスのせいで僕たちは本当に苦しい時期を過ごしてきた。満員の観客と一緒に新しいコートを楽しむことができたのは、本当に素晴らしい気分だった。

Q:今年、あなたは初めて「全豪オープン」と「全仏オープン」を連覇しました。年間グランドスラムのことを考えるのは正気じゃないと思いますか?

A:そうだね、まともじゃない。もし僕が完璧な状態でも、そう思う。ロッド・レーバー(オーストラリア)以来、誰も成し遂げていないんだ。ジョコビッチは去年惜しいところまでいった。年間グランドスラムよりも、僕は4つの大会全てでプレーできれば満足だよ。

Q:グランドスラム最多優勝記録についてはどう考えていますか?

A:何でも起こり得る。ノバクは明らかに、僕を超えられる一番いい位置にいる。彼は身体的な問題を何も抱えていないし、華々しい活躍を見せている。フェデラーは長い間離脱しているけれど、彼からはいつも何か特別なものを期待してしまう。でも、復帰がとても難しいのはみんな理解している。成り行きを見守ることになるね。これまでも言ってきたけれど、僕たちが(グランドスラム最多優勝20回で)並んでいる時も僕は気にしなかったし、今僕が2回、上回っていることも気にならない。僕はただ競技を続けたい。

Q:多く優勝することに魅力を感じますか?

A:エネルギーとなるのは、競争心だ。キャリアの現時点でもし僕が全てを持っていて、モチベーションとなる競争心を持っていなかったら、全然違う話になっていただろう。僕はそう感じている。競争心を持つっているから、解決策を探そうという意欲につながるんだ。

(後編に続く)

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全仏オープン」優勝後、パリで記念撮影するナダル
(Photo by Mustafa Yalcin/Anadolu Agency via Getty Images)

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