アメリー・モレスモー氏の大会ディレクター就任、アルカラス、シフィオンテクといった若手の前哨戦での躍進、新型コロナウイルスの影響を色濃く受けた昨年に比べて100%の観客動員など、再生と創造の期待を予感させて開幕した2022年の全仏オープンテニス。
テニス大好きWOWOWアナウンサー、川又智菜美が今年の全仏オープンでの注目ポイントを紹介。自身も毎週必ずプレーする、テニスへの愛が止まらない彼女が、独自の目線で全仏を大解剖、全3回に分けて語ります。
第2回目は、今大会大注目カードとなったナダルVSジョコビッチ戦について。
通算59戦目のナダルvsジョコビッチ戦、長丁場でも途切れない集中力で熱戦に
ドローが発表されて一つ注目されたことは、ナダルとジョコビッチという王者と呼ばれる者同士が準々決勝の段階で当たる可能性があるということだ。
そして多くの人が期待した通り、その戦いが実現することとなった。決勝カードでも良いだろうという両者の組み合わせにこの段階で当たるのは少しもったいない気がしながらも、両者の戦いが実現したことに世界中から注目が集まったのは事実だ。
一年ぶり、59回目の激突となったこの試合、自分らしいプレーで試合を始められたのはクレーキング。非常に質の高いボールであのジョコビッチを圧倒していった。ジョコビッチはというと、いつもの余裕を失いリスクの高い判断を迫られていたように感じた。
しかし、ジョコビッチだ。
いくらリードしていても息を吹き返して最終的に彼が勝利を手にする光景を我々は何度も見てきた。2セットダウンになってからでも自身の気持ちを切り替えて巻き返す強い精神力とテニスをジョコビッチは持っている。昨年の全仏オープンでの両者の戦いのようになるのではないか…そう予感させられるシーンは何度もあった。特に第2セット途中からはそれまでナダルに3ゲーム連取されていたが、その後4ゲーム連取して第2セットを勝ち取り、このまま流れはジョコビッチにいくのではないかと思われた。
しかし、ナダルは大事なポイントをしっかりととっていった。特に最終セットの集中力には目を見張るものがあった。一度ジョコビッチにはサービングフォアザセットが来ていたのだ。しかし、取り切らせず再度自分に流れを引きもどした。
クレーキングは自分なのだという意地を見たような気がする。
トップレベルの戦いを見せてくれた両者に拍手を送りたい。
次回は見事混合ダブルスで優勝した柴原瑛菜について語る予定。乞うご期待。
(川又智菜美)
写真:Getty Images
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