アメリー・モレスモー氏の大会ディレクター就任、アルカラス、シフィオンテクといった若手の前哨戦での躍進、新型コロナウイルスの影響を色濃く受けた昨年に比べて100%の観客動員など、再生と創造の期待を予感させて開幕した2022年の全仏オープンテニス。
テニス大好きWOWOWアナウンサー、川又智菜美が今年の全仏オープンでの注目ポイントを紹介。自身も毎週必ずプレーする、テニスへの愛が止まらない彼女が、独自の目線で全仏を大解剖、全3回に分けて語ります。
第1回目は、いよいよ決勝を迎える女子シングルスについて。
バドーサ、サバレンカなどトップシード敗退で波乱が続く女子
いつも予想が難しいと言われる女子だが、今回も大きな波乱が巻き起こった。トップ10シードで3回戦まで残ったのはシフィオンテク、バドーサ、サバレンカのみ。そして3回戦を突破したのはシフィオンテクのみだった。
たしかにクレーコートで安定的に強さを発揮できるという点でシフィオンテクは現在頭一つ飛び抜けているが、それでも驚きを隠せない結果だ。
昨今トップシード勢が順当に勝ち上がり、準決勝や決勝で当たるということが少ない。なぜ、女王が長く君臨することがないのだろうか?
私たちは毎回新女王が誕生するたび喜び、歓迎すると共に、一時期の大坂なおみや、またはセレナ・ウィリアムズのように圧倒的な強さを持つことをどこかで期待している。私はその気持ゆえに今年の全豪オープンでのバーティの優勝は感慨深く嬉しいものがあった。
そう考えると、現在女子のある程度力のある選手たちの中で、その試合その試合のほんの僅かな“何か”が勝敗を分けているのではないかと思う。
その時の調子や運、勢い、プレッシャー、観客の声援など“何か”はその時々によって違うが、一般プレーヤーが感じる「その日の自分でもよくわからない好不調」を、世界で戦っている選手たちも感じながらプレーしているのではないだろうか。特にプレッシャーという点に関しては、彼女たちは私たちが推察できない程のものを抱えているのではないかと思う。
ただ、その“何か”を押し退けて、絶対的女王がまた現れる日が楽しみな気もする。
次回はクレーキングVS絶対王者の注目カードとなったナダルVSジョコビッチ戦について語る予定。乞うご期待。
(川又智菜美)
Photo by Robert Prange/Getty Images
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