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20歳での全仏優勝で約3億円を手にしたチャンピオンが将来に備える

2017年「全仏オープン」で優勝したオスタペンコ

テニスの元世界ランキング5位の24歳エレナ・オスタペンコ(ラトビア)は、今を生きるタイプだ。彼女は実に表情豊かで、試合中に見せる様々な表情がGIFアニメとしてソーシャルメディアで活用されているほどだ。そんなオスタペンコが、実は将来設計を考えるしっかり者だと知って意外に思うファンも多いのではないだろうか。WTA(女子テニス協会)の公式ホームページが伝えている。

「WTA1000 マイアミ」の開幕が数日に迫ったある日、オスタペンコは会場のロッカールームの外にあるベンチに座っていた。白いTシャツに黒いレギンス、そして鮮やかなオレンジ色のネイルをしたオスタペンコは、経済的な安定を得ることの重要性について語った。

「常に将来のことを考えておかないとね…あまり好きじゃないんだけど」とオスタペンコは笑いながら言った。「私は、今この瞬間を生きるのが好き。できるだけ楽しむようにしてね。今後たくさんお金を稼ぎたい。でも、もちろんどうやって稼ぐのかを考えなきゃいけない」

オスタペンコは2014年に「ウィンブルドン」のジュニアの部で優勝したが、彼女の収入が急激に増えたのはその3年後の2017年に「全仏オープン」に優勝してからだ。賞金額は230万ドル(約2億9800万円)。オスタペンコは、1933年のマーガレット・スクリブン(イギリス)以来のノーシードの全仏覇者となった。さらに当時20歳だったオスタペンコは、20年前、1997年のイバ・マヨリ(クロアチア)以降の最年少チャンピオンとなった。

「テニスのキャリアは永遠に続くわけじゃないから、プレーできる間に、できるだけ稼ぐ必要がある。将来を安定させることはもちろんとても重要よ。お金はどこかに投資して、利益を生むようにしなきゃ。自分がお金を得るために働くように、お金を自分のために働かせないと」

オスタペンコは、アドバイザーを雇って様々な投資を行っている。数年前には不動産プロジェクトの広告塔になったこともある。さらに、ラトビアの首都リガ郊外の湖の近くにあるアパートメントコンプレックスへの投資も行った。また、自身が情熱を燃やすテニスに関連したプロジェクトもある。オスタペンコは、リガに拠点を持つアクティブウェアメーカー、DK Oneとパートナー契約を結んでいる。

「会社のオーナーの女性も以前テニスをプレーしていたけれど、サイズや形が彼女に合わないテニスウェアが幾つかあったの。そこで、パターンや柄を自分でやってみようと思ったのね。すごく難しかったそうだけど、ウェアに関する問題があまりに多かったので、やろうと決断したそうよ」

そして、オスタペンコが全仏を制覇した2017年にDK Oneは生まれた。オスタペンコはオフシーズン中にこの会社と提携したが、服のデザインはトップクラスでテニスをプレーするより難しいことだと学んだ。

「簡単に見えるわよね。でも、すべての段階をやるとなると…本当に大変!」とオスタペンコは表情豊かに苦労を打ち明けた。「まず、パターンと形を作る。それから生地ね。その次にデザインで、色は最後」

色。彼女のオレンジ色のネイルを覚えているだろうか?実はあれがヒントだった。「すごく明るい色が大好きなの。ネオンピンク、ネオンイエロー、ネオングリーン。ブルーもね」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オスタペンコとDK Oneは2022年シーズンへの準備が十分にできなかった。それでも、オスタペンコはシーズン初めの「WTA500 シドニー」と「全豪オープン」へは淡いブルーのトップスにネオンイエローのショーツを着用して出場。ロゴがはっきり見えなかったため、ファッショニスタのファンたちの間で話題になっていたが、このウェアこそオスタペンコがデザインに関わったDK One by Jelena Ostapenkoのものだった。

オスタペンコは、近年増えているファッション界に足を踏み入れた選手の一人だ。ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)はEleVenを創設し、2007年から同ブランドのウェアを着用している。ビーナスの妹セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、サーニャ・ミルザ(インド)、ドミニカ・チブルコバ(スロバキア)、ツベタナ・ピロンコバ(ブルガリア)なども自身のアパレルラインを持っている。

今年の2月にはナイキのウェアで大会に出場していたオスタペンコだが、クレーシーズンにはDK Oneの新しいウェアで出場したいと願っている。DK Oneのコアバリューは着心地の良さ・オリジナリティ・品質であり、“プレー&ウィン”をモットーとしている。

ウェアは、リガにある店舗で購入できる他、ウェブサイトを介して世界のどこからでも手に入れることができるそうだ。テニスのキャリアを終えたら、スポーツウェアだけではなくカジュアルな服も作りたいとオスタペンコは明かした。そして、引退後は大学で学び直すことも考えているという。

「何を専攻したいかわからなかったから、大学には行かなかったの。何か他にやるとしたら、経営学を勉強したいかもしれない。財務に関する様々なことに対処する方法を知りたいの。学校では、数学がずっと好きだった。財政学を学んでみたいといつも思っていた」

だが現時点でのオスタペンコの悩みは、ロゴの微調整だ。「このロゴを100%気に入っているかどうか、自信がないの。こうやって見てみて、好きな時もあるし、あまり気に入らないときもある。自分の名前だから、すごくパーソナルなの。もう少し時間がかかりそう」と首を振りながら、オスタペンコは見慣れたしかめっ面を見せた。

※為替レートは2022年5月12日時点

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2017年「全仏オープン」で優勝したオスタペンコ
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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