若手一番の注目株カルロス・アルカラス(スペイン)は、先日「ATP500 バルセロナ」で優勝して世界ランキング9位となり、トップ10の中で最年少選手となった。アルカラスが昨年のこの時期に100位以下だったことを考えると、彼のここ一年の成果は眼を見張るものがある。アルカラスの活躍は、ツアーで上を目指す若手選手にとって大いに刺激になっているはずだ。今回は、アルカラスを始めとする、10代のトップ選手5人を紹介する。スポーツウェブメディアSportskeedaが伝えている。
5位 ルカ・ナルディ(イタリア)
2003年8月生まれ、18歳9ヶ月のナルディは、男子の世界ランキング200位内にランクインする最年少の選手だ。現在、自己最高の198位。
ナルディは、2020年の「ATP250 アントワープ」でATPツアーデビューを果たしたが、主にチャレンジャー大会に出場を続けている。今年1月、祖国イタリアのフォルリでチャレンジャー大会初優勝を飾り、続けてスイスのルガーノでも優勝した。
「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」への出場権を懸けたレースでは現在9位にいるナルディ。年末の大舞台での活躍を目標に据えている。
4位 ドミニク・ストリッカー(スイス)
ジュニア時代にトップ10に入る実力者だったストリッカー。プロデビュー戦となった昨年の「ATP250 ジュネーブ」では、元全米王者マリン・チリッチ(クロアチア)や元世界31位のマートン・フチョビッチ(ハンガリー)に勝利し、準々決勝進出を果たした。
以降、ストリッカーは自己最高の155位まで順位を上げ、昨年の「ATP250 グシュタード」ではダブルスで優勝を飾った。だが2020年「全仏オープン」ジュニアの部で優勝したストリッカーは、まだシングルスでは大きな成果は残せていない。
2002年8月生まれのストリッカーは今年の「全仏オープン」を目標に練習に励んでいるようだ。現在世界178位のストリッカーの本戦出場が叶うか、期待を持って見守りたい。
3位 フラビオ・コボッリ(イタリア)
ストリッカーのダブルスパートナーを務めたこともあるコボッリも、活躍を見せ始めている。昨年、ツアーデビュー戦となった「ATP250 パルマ」にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場し、マルコス・ギロン(アメリカ)を破った。
コボッリはATPツアーの大会には散発的な出場に留まっているが、チャレンジャーツアーでは多くの成功を掴んでいる。3月にクロアチアで行われた大会で初優勝を飾り、現在の世界ランキングは150位。
2002年5月生まれのコボッリは、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」への出場権を掛けたレースでは8位となっている。
2位 オルガ・ルーネ(デンマーク)
現在、10代で世界ランキング100位以内に入っている選手はたった二人。その一人であるルーネは、すでに未来のスター選手として存在感を発揮している。2019年「全仏オープン」ジュニアの部で優勝し注目されたルーネは、現在までに世界ランキング45位まで順位を上げ大きく成長した。
2021年、ルーネはチャレンジャーツアーで大成功を収める。5大会で決勝進出を果たし、そのうち4大会で優勝。今シーズンは、元世界14位のアスラン・カラツェフ(ロシア)や元世界25位のユーゴ・アンベール(フランス)らに勝利。そして先日の「ATP250 ミュンヘン」では2回戦で世界3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を倒すという大金星を挙げ、ついにツアーレベルで初優勝を果たした。
2003年4月生まれのルーネは「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」への出場権を懸けたレースでも、アルカラス、20歳のヤニク・シナー(イタリア)に次いで3位に浮上している。
1位 カルロス・アルカラス(スペイン)
アルカラスは、ATP大会のすべてのレベルで1つ以上タイトルを獲得している。昨年7月以降の10ヶ月間に、「ATP250 ウマグ」、「ATP500 リオデジャネイロ」、「ATP500 バルセロナ」、そして「ATP1000 マイアミ」で優勝した。
アルカラスは現在世界ランキング9位。昨年の「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」で優勝し、トップ10相手にこれまで8勝を挙げるなど、素晴らしい戦績を残している。
「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」への出場権を掛けたレースでは、アルカラスは2位のシナー(980ポイント)の倍以上の2460ポイントを獲得。次世代を担う一人として、その地位を確固たるものにしている。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は2021年「Next Gen ATPファイナルズ」での対戦しているアルカラス(奥)とルーネ(手前)
(Photo by Julian Finney/Getty Images)