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ナダル、ジョコビッチ、アルカラス…世界7位のルードがクレー巧者らを分析

左上段からズベレフ、ティーム、チチパス、中央ルード、左上段からアルカラス、ジョコビッチ、ナダル

先日「ATP1000 マイアミ」で初のマスターズ1000大会決勝に進出し、ヨーロッパのクレーコートシーズン直前に自己最高の世界ランキング7位に上昇したキャスパー・ルード(ノルウェー)。自身もクレーコートを得意とするルードが、世界トップクラスのクレーコート巧者たちについて、なぜ彼らがそれほどまでこのサーフェスで活躍できるのか、分析を語った。ATP(男子プロテニス協会)の公式ウェブサイトが伝えている。

ルードは、マイアミで好成績を残したことで自信をさらに深めたようだ。先週の「ATP1000 モンテカルロ」では第4シードでの出場だった。

「自信になるね。マスターズ1000大会の決勝に僕が出られることを示せたんだから。新型コロナウイルス感染拡大による中断が終わった後、クレーでのマスターズ大会で3回準決勝に進出できてはいたけれど、決勝には行けなかった。だから、初めて[このレベルの]決勝に進めてすごくいい気分だった」

「決勝でプレーするのはいつも楽しい。もちろん、勝てればもっと楽しいね。でも、決勝にいること、その経験を得られるだけですごくワクワクしたし、言うまでもなく未来に向けてモチベーションが湧いたよ」

クレーを得意とする5選手の強みについて、ルードは自分なりの分析を語った。

ラファエル・ナダル(スペイン)
彼とは何度も練習したことがある。クレーで対戦すると、息をつく暇も与えない。生み出すすべてのショットがどれもとても重い。トップスピンをかなり掛けているから、すごく高くバウンドする。ベースラインで肩より高い球を打ったり、グラウンドストロークで戦うのは困難だ。彼がこういう重いショットを打つと、深くいいところまで打ち返すのは難しい。だから、彼は前に出るチャンスを多く得られて、攻撃的なショットを狙える。

彼はポイントを組み立てるのがうまい。しかも同じような感じで何度もね。彼はフォアハンドで優勢に試合を進めるのが好きだ。それに、彼はクレーコートのキャリアのほとんどで、右利きの選手とプレーしている時は特に、対戦相手のバックハンド側に向かってフォアハンドの重いクロスコートで攻めることで、上手くポイントを奪えている。ほとんどの選手が彼のショットに手こずるんだけど、本当に重いショットだから当然だ。それが、彼がすごく成功している理由だと思う。

彼はすべてのポイントをとてもとても厳格に順序だててプレーする、まるで最後のポイントのようにね。彼自身がそう言っているのを何度も聞いたことがあるし、それが彼が息をつく暇を与えてくれない理由だね。彼が試合中や[練習中に]簡単に与えてくれるポイントなんてほとんどない。クレーではラリーも試合も長くなるから、肉体的にきつい時がある。彼はその準備ができている。

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
彼はラファとは少しやり方が違う。もっとコートの中でプレーする。それに、バックハンドがすごくいいことがポイントなんだ。例えばラファみたいに、多くのクレーコートを得意とする選手は、相手のバックハンド側を攻めることが多い。バウンドが高くて重いボールは難しいからだ。ノバクは、他の誰よりこの攻撃にうまく対抗できる。素晴らしいバックハンドのコントロール力を持っているからね。

彼のテニスに穴を見つけるのは難しい。フォアハンドも弱点ではなく、ウィナーもディフェンスショットも、いつでもどちら側からでも打てるんだ。彼と対戦すると、コートのどこにいても休めない。バックハンドで攻撃してくるし、フォアハンドでも素晴らしい角度や多彩なショットで攻めてくるからだ。

言うまでもなく、ツアーの中で彼は最高のフットワークの持ち主の一人だ。他の選手には取れないようなボールでも、追いついて返すことができる。彼がハードコートでもクレーでも同じくらい強いのはそのせいだと思う。でもクレーでは、彼はコートの中に入って、こっちが打った重いショットを早めにリターンして、深いショットを打ち返すことができる。

ドミニク・ティーム(オーストリア)
ドミニクは、どちらかというとラファに似ている。フォアハンドとバックハンドの両方で、素晴らしいスピードの重いショットを打ってくる。特にフォアハンドによりスピンをかける。

多彩なバックハンドも危険だ。スライスも上手いし、オープンスタンスでの片手バックハンドも打ってくる。これは難しいことなんだ。それに、前に出て攻撃的でフラットなダウンザラインを打つこともできる。こういうショットを駆使してくるから、厳しいラリーだと休む暇もない。

キックサーブもとても良い。クレーではすごく役に立つんだ。コートにスペースを作って、強いフォアハンドと強いグラウンドストロークで決めるのが上手い。素早く広く動けるから、身体的に疲弊するようなベースラインでのラリーを強いられる。間違いなくクレーで戦うのが難しい選手の一人だし、彼はそれを証明してきた。「全仏オープン」の決勝に2度進出しているし、クレーの大きな大会で優勝も飾っているからね。

カルロス・アルカラス(スペイン)
彼は攻撃的だから、すべてのサーフェスでプレーできるけど、しっかりトップスピンをかけてプレーするタイプでもある。バックハンドよりフォアの方がよりスピンがかかっている。去年クレーでプレーした時に印象深かったのは、彼がずっと攻撃的なスタイルでい続けたこと、それにショットのほとんどをコートの深いところまで届かせられるということだった。

同時に、これまでに挙げた選手と同じように、彼もフットワークが良い。素晴らしいディフェンスショットも打てるし、カウンターアタックも上手だ。それに、良いキックサーブも持っている。コートにスペースを作るのに役立つ。

アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)
彼は若い世代の中で、よりクレーコートを得意としている選手の一人だ。「ATP1000 マドリード」で2回優勝しているし、「ATP1000 ローマ」でも優勝している。クレーでの勝率がいいということだ。トップスピンを強くかけるわけではないと思うけど、非常に良いリターンをする。ほとんどの場合コートのかなり後ろに立って、パワーとスピードのある深くて重いショットを打ってくる。

バックハンドにはあまり弱点がないし、サーブももちろん良い。だから、サーブで何ポイントか簡単に取ることができる。これはクレーでは良いことだ。サーブが悪かったら、ラリーをする回数が多くなってしまうからね。彼のサーブは良いし、リターンも良い。ほとんどの場合、深いショットを打ってくるから、彼に攻撃を仕掛けるのはとても難しい。だからこのサーフェスで彼は危険な存在なんだ。

ルードがクレーで強敵と感じる選手はこれだけではない。彼はさらに数名の名前を挙げた。

「アルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)との対戦成績がかなり悪いんだ。もしかしたら、あまり注目されてこなかった選手かもしれないけどね。それに、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)もクレーに強い選手だと思っている。よく動くし、よくボールを返してくる。彼のサーブはある意味トリッキーで、彼は多くの時間を毎年クレーで過ごしているのだろうと思っている。彼はクレーでラファを倒したこともある。世界中でそれを出来た選手は少ない。このサーフェスを得意とする選手は他にもいると思うよ」

「ステファノス・チチパス(ギリシャ)は、去年の“全仏オープン”のファイナリストだった。マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)ともクレーで何度か対戦したけれど、かなり厳しい戦いだった。アンドレイ・ルブレフ(ロシア)も、クレーコートが得意というイメージはないかもしれないけれど、いいプレーをするし、“ATP1000 モンテカルロ”の決勝に進出したり、ラファを倒したこともある。このサーフェスでいいプレーをする選手は、実はたくさんいるんだ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は左上段からズベレフ、ティーム、チチパス、中央ルード、左上段からアルカラス、ジョコビッチ、ナダル
(Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

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