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車椅子での全仏退場からインディアンウェルズ制覇まで:フリッツの驚きの旅路

真は「ATP1000 マイアミ」でのフリッツ

テイラー・フリッツ(アメリカ)は、「ATP1000 インディアンウェルズ」の決勝でラファエル・ナダル(スペイン)を6-3、7-6(5)で下し、でキャリア最大のタイトルを獲得した。フリッツはクレーの王者ナダルがそれまで続けていた20試合連続勝利に終止符を打ち、2001年のアンドレ・アガシ(アメリカ)以来となる地元アメリカの「ATP1000 インディアンウェルズ」覇者となった。

マスターズ1000大会のタイトル獲得はどんな選手にとっても卓越した成果だが、フリッツにとってこのタイトルをさらに特別なものとしているのは、今回の優勝に先立つ一連の出来事だ。2021年6月、フリッツは「全仏オープン」の2回戦でドミニク・コプファー(ドイツ)に4セットで敗れた。残念なことに、フリッツは半月板を損傷し、車椅子でコートを去らねばならなかった。

右膝の手術を受けたフリッツは、信じられないことに「全仏オープン」終了からわずか2週間後に始まった「ウィンブルドン」までに復帰を果たした。フリッツは「ウィンブルドン」で3回戦に進出し、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れた。その後11月には、「ATP1000 パリ」で準々決勝に進出。

そして「全仏オープン」で膝の怪我を負ってからわずか9ヶ月後に、フリッツはナダルから驚きの勝利を挙げ、自身初となるマスターズ1000大会のタイトルを勝ち取ったのだ。

ナダルを破った後に行われた記者会見で、フリッツはパリで負った怪我からの回復について質問を受けた。フリッツは、今回の成功は主に自身の頑固な性格と「高い痛み耐性」のおかげだと話した。

「僕は極端に頑固な人間だと思う。それにとても、とても高い痛み耐性があって、もしコートに立ってプレーするチャンスがあると思えば、さらに悪い状態になる可能性についてはあまり気にしないんだ」

フリッツは、大会の途中で棄権するには「かなりの理由が必要」だと言い、昨シーズンの「ATP1000 トロント」では試合中に気を失いそうになったと明かした。

「僕をコートに立たせているのは、おそらくあまり良くないたくさんのことだ。正直に言うと、僕は文字通り、棄権したら観衆に何と言わなければいけないのかを考えていた。例えば去年、手術の後に復帰して、 “ATP1000 トロント”では本当に視界がぼやけてほとんど失神しかけていたけれど、棄権しなかった。僕を棄権させるには相当な理由が必要だよ」

フリッツは「全仏オープン」で負った深刻な膝の怪我からの回復を助けてくれた医師たちを手放しで賞賛し、自分は本当に「幸運」だと考えていると言う。

「最初のウォームアップの時は、最悪の感覚だった。想像できる限り最悪と言ってよかった。間違いなく僕をコートから遠ざけるようなものだった。正直、あれほどひどい状態からあれほどいい状態まで、どうやって変えることができたのかわからない。もちろん理学療法士や医師たちのおかげだ。彼らは信じられないような仕事をしてくれた。うん、僕は本当に幸運だよ」

フリッツは「ATP1000 インディアンウェルズ」でのナダルとの決勝でも棄権しそうになった。足首に怪我を負っており、チームからは試合に出ないよう助言されていた。しかしフリッツは痛みをこらえて戦い抜き、これまでのキャリアで最大のタイトルを手にしたのだ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「ATP1000 マイアミ」でのフリッツ
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

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