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ウィンブルドンダブルスでただ一度優勝したニールセン「芝に手を置いてその感触をかみしめた」

写真は2013年「ウィンブルドン」でのニールセン

2012年7月7日、フレデリック・ニールセン(デンマーク)は世界の頂点にいた。「最初から最後まで、大きな喜びの連続だった」。38歳のニールセンは、「ウィンブルドン」での熱狂的な2週間をこう振り返る。この時ニールセンは、ジョナサン・マレー(イギリス)と組んでどこからともなく勝ち上がり、手に汗握るフルセットの試合の末にロベルト・リンドステット(スウェーデン)とオリア・テカウ(ルーマニア)のペアを下し、ダブルスで優勝を果たしたのだ。「ジョニーとプレーしたおかげで良くなった。僕らはウマが合ったからね。お互いの最高のパフォーマンスを引き出すことができた」

それから早くも10年が経ち、現在は「デビスカップ」のデンマークチームのキャプテンを務めるニールセンは、マーカス・ダニエル(ニュージーランド)と組んでダブルスに出場した2022年の「全豪オープン」で2回戦敗退に終わった後、プロテニスからの引退を発表した。ATPツアーの公式オンラインメディアが、ニールセンのインタビューの内容を伝えている。

「プロテニス選手としての生活が今でも大好きだ。でも、プレーする目的がもう何も残っていなかった。だからこれは、選手生活の自然な終わり方だった。小さい子どもがいることや、妻が僕のテニスのために多くのことを諦めてきたことを考え合わせて、今は妻にとって優先順位の高いことを最優先にするのを楽しみにしている」

「ウィンブルドン」での優勝は、当然ながらニールセンにとって選手生活の目玉である。ニールセンはいつでも、この大会に個人的なつながりを感じていた。「子どもの頃から“ウィンブルドン”に来ていた。祖父(シングルスで2度準優勝したクルト・ニールセン)が会員だったから、会場に入ることができたんだ。毎朝試合の予定を見て、どのコートに行こうか考えたのを覚えているよ」

「試合が行われていないコートを通り過ぎる時、芝に手を置いてどんな感触か感じてみることもあった。芝コートでテニスをしたことがなかったから。それに、その経験とその場所全体にただただ圧倒されていたんだ。戻って来るたびに、“ウィンブルドン”の壮大さをかみしめることができた」

グランドスラムでタイトルを獲得したことも手伝って、ニールセンのダブルス世界ランキングは2013年シーズンにキャリア最高の17位にまで上昇した。ニールセンはさらにツアーで2つのタイトルを獲得。ヨハン・ブランストロム(スウェーデン)と組んで出場した2014年のチェンナイでの大会と、ティム・プッツ(ドイツ)と組んだ2019年のミュンヘン大会でのものだ。しかし、ニールセンはシングルスで達成したことについても、同じように誇らしく思っている。

「テニスを始めた頃は、ランキングポイントを1点でも取れるほどうまくなれるとは思っていなかった。その頃の気持ちを忘れたことはない。いつだって、自分の出発点を思い出すことができたし、ツアーで得られるものは何だって存分に楽しむことができた。どんなレベルでプレーしていてもね」

「2012年の“全豪オープン”シングルスで、予選を突破して本戦の出場資格を得たのは途轍もないことだった。グランドスラムの本戦に入るということは、テニスの頂点にいるということだ。それができると本気で期待したことはなかったから、その機会を得られたのは特別なことだった。長年にわたるたくさんの努力を経て、グランドスラムに出場することができた。それは僕にとって大きなことだった」

ニールセンは、「デビスカップ」でも2003年から2021年までの間に45試合に出場し、デンマークチームに貢献してきた。「成功をおさめた年も何度かあって、幸運だった。ホームで全力のスペインチームと対戦した時が絶頂だった。チームのみんなとの連帯感や、達成したことの高揚感は、間違いなく特別だった」

ニールセンは今後もテニス界に残る。「デビスカップ」での役目の傍ら、デンマークのテニス協会でナショナル・コーチとして働き始めたのだ。これは、ツアーでのとても満足のいく選手生活の後の心躍る新章を記念するものだ。

「1秒1秒が本当に大好きだった。最高の日々だったし、こういう経験ができたことをとても恵まれていると感じるよ」とニールセンは語った。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は2013年「ウィンブルドン」でのニールセン
(Photo by Mike Hewitt/Getty Images)

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