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グランドスラム王座への道~第1回 クレーキングから最多優勝へ、ラファエル・ナダル

2019年「全米オープン」でのナダル

このシリーズではこれまでにグランドスラム制覇を遂げたチャンピオンたちや、これから優勝を目指す選手たちをランダムに取り上げ、それぞれの「王座への道」を紹介していきたい。最初にご紹介するのは、今年の「全豪オープン」で、大方の予想を裏切って男子シングルスで最多となるグランドスラム21回目の優勝を遂げたラファエル・ナダル(スペイン)だ。

ナダルは17歳で初めてグランドスラム本戦出場を果たした2003年の「ウィンブルドン」で3回戦に進出。そして2005年に初出場した「全仏オープン」で初優勝し、2008年まで4連覇を果たす。

ナダルがグランドスラム初優勝を遂げた2005年、シーズン開幕時の世界ランキングは51位。その後5月までに5大会で優勝して世界5位に、「全仏オープン」優勝で3位に、更に7月に2大会を制してついに世界2位へたどり着く。

前述の通り、ナダルは翌2006年も「全仏オープン」を制したが、「ウィンブルドン」では決勝でロジャー・フェデラー(スイス)に敗れる。当時フェデラーはそこまで1勝6敗とナダルを大の苦手としていたが、2003年から「ウィンブルドン」を連覇しており、2004年2月から世界1位の座にあったフェデラーは、2008年まで「ウィンブルドン」王者の座も、世界王者の座もナダルに譲ろうとはしなかった。

※2004年「全豪オープン」優勝トロフィーを抱えるフェデラー
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

二人は「全仏オープン」でも2006年、2007年、2008年と3年連続で決勝で対戦し、いずれもナダルが勝利。「ウィンブルドン」決勝では2006年、2007年とフェデラーが勝利したが、今でも語り草となっている2008年決勝でナダルは遂にフェデラーを破り、世界ランキング1位の座も手に入れる。全仏での4タイトルと合わせて、ナダルの5つ目のグランドスラムタイトルとなった。

翌2009年、ナダルは「全豪オープン」で初めて決勝に進出し、フルセットの末にフェデラーを破って初優勝。ところが5連覇を目指していた「全仏オープン」4回戦で、世界25位だったロビン・ソダーリング(スウェーデン)に敗退。フェデラーがそのソダーリングを決勝で破って初優勝し、キャリアグランドスラムを達成。フェデラーはその後、ナダルが膝の怪我のため欠場した「ウィンブルドン」も制して、世界1位の座を奪還する。

※2010年「全仏オープン」で対戦した時のナダル(右)とソダーリング(左)
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

しかしナダルは翌2010年の「全仏オープン」決勝でソダーリングに雪辱を果たして7つ目のグランドスラムタイトルを獲得すると、世界1位に返り咲く。「ウィンブルドン」では準決勝で世界4位のアンディ・マレー(イギリス)、決勝でトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を破って優勝。「全米オープン」では決勝で世界3位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を倒して初優勝し、キャリアグランドスラムを達成した。

2011年の「全仏オープン」ではソダーリング、マレー、フェデラーを負かして優勝。「ウィンブルドン」では準決勝でマレーを倒すが、決勝でジョコビッチに敗退。ジョコビッチは2008年と2011年の「全豪オープン」に続く3つ目のグランドスラムタイトルを手にすると共に、初めて世界ランキング1位となる。「全米オープン」でもナダルは準決勝でマレーを破り、ジョコビッチの前に屈する。

※「ウィンブルドン」でのナダル(左)とジョコビッチ(右)
(Photo by Chaz Niell/Icon Sportswire via Getty Images)

翌2012年の「全豪オープン」では準決勝でフェデラーを倒すが、決勝はまた同じ組み合わせ、同じ結果で終わった。だが「全仏オープン」では、決勝でジョコビッチを破って大会新記録となる7度目の優勝。しかし「ウィンブルドン」2回戦で世界100位のルーカシュ・ロソル(チェコ)にフルセットの末に敗れると、膝の怪我のためにシーズン終了となった。

翌2013年の「全豪オープン」も欠場してランキングは世界5位まで下がってしまうが、「全仏オープン」では変わらぬ強さを見せる。ところが「ウィンブルドン」では世界135位のスティーブ・ダルシー(ベルギー)に敗れ、グランドスラムで初めての1回戦敗退を喫する。だが続く「ATP1000 モントリオール」、「ATP1000 シンシナティ」で連続優勝を遂げ、その勢いのままに「全米オープン」でも決勝でジョコビッチを破って3年ぶり2度目のタイトルを獲得。翌10月には世界1位に返り咲いた。

2014年「全豪オープン」準決勝では世界6位となっていたフェデラーを倒すが、決勝で世界8位のスタン・ワウリンカ(スイス)に敗れる。ワウリンカのグランドスラム初優勝だった。「全仏オープン」では準決勝でマレーを、決勝でジョコビッチを破って大会5連覇、グランドスラム14回目の優勝を遂げた。だが「ウィンブルドン」4回戦で世界144位のニック・キリオス(オーストラリア)に敗れ、世界王者の地位を再びジョコビッチに明け渡す。

※写真は2020年の「全豪オープン」でのナダル(左)とキリオス(右)
(Photo by Jonathan DiMaggio/Getty Images)

そして2015年と2016年、ナダルは2004年以来11年ぶりにグランドスラムで1度も優勝できなかった。するとナダルは2016年12月に元世界王者のカルロス・モヤ(スペイン)をチームに加え、弱点と言われてきたサーブとネットプレーを強化。2017年の「全豪オープン」決勝では膝の怪我から復活した35歳のフェデラーに、「ウィンブルドン」では4回戦で世界26位のジル・ミュラー(ルクセンブルク)に敗れるが、「全仏オープン」では決勝でワウリンカを、「全米オープン」ではケビン・アンダーソン(南アフリカ)を破って優勝。見事な復活劇を遂げる。

2018年と2019年の「全仏オープン」では2年連続、決勝でドミニク・ティーム(オーストリア)に勝利し大会12回目のタイトルを獲得。2019年の「全米オープン」では、初めてグランドスラムの決勝に進出したダニール・メドベージェフ(ロシア)から2セットを先取しながらフルセットまで粘られるが勝利して、大会4度目の優勝を遂げた。

そして2020年、パンデミックによるテニスの休止期間を経て、ナダルは例年と違って冷たい雨の降る秋のパリで行われた「全仏オープン」決勝でジョコビッチを破り、フェデラーと並ぶグランドスラム20回目の優勝を果たす。

※「全仏オープン」V13の瞬間のナダル
(Photo by Julian Finney/Getty Images)

だが2021年は「全豪オープン」準々決勝でステファノス・チチパス(ギリシャ)に、「全仏オープン」準決勝でジョコビッチに敗れ、足の怪我のため「ウィンブルドン」を欠場、その後「全米オープン」前にシーズンを終了する。

一方で2020年2月から世界1位の座を守っていたジョコビッチは、2021年のグランドスラム3大会を制して20回優勝、多くの人がビッグ3人の中で一番に21回目を達成するのは彼だろうと考えていた。だが「全米オープン」決勝でメドベージェフに敗れ、新型コロナワクチン関連の問題で「全豪オープン」を欠場することに。それでも、怪我で5ヶ月間ツアーを離れ、大会前にはコロナ陽性にもなっていたナダルより、メドベージェフやズベレフが「全豪オープン」優勝の本命、という声も多かった。

※写真は「全豪オープン」でのナダル
(Photo by James D. Morgan/Getty Images)

そんな中でデニス・シャポバロフ(カナダ)やマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)らの挑戦を退け、最後はメドベージェフに2セット先取されながら「諦めない」王者の魂を見せつけて、単独トップとなるグランドスラム21回目の優勝を成し遂げたナダル。今後のグランドスラム王座争いがどうなっていくとしても、あの時のナダルの姿は長くテニスファンの心に残ることだろう。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※アイキャッチ写真は2019年「全米オープン」でのナダル
(Photo by Al Bello/Getty Images)

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