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メドベージェフの全豪オープン悪役への道のり

「全豪オープン」でのメドベージェフ

ダニール・メドベージェフ(ロシア)が現在のような活躍を続けられれば、彼は間違いなく世界王者となり、今後10年間にグランドスラムで何度も優勝を飾るような選手になるだろう。だが、海外の観客に愛されるような選手になるには、もう少し努力が必要かもしれない。先日行われた「全豪オープン」でメドベージェフは“悪役”扱いされ、観客と良い関係を築けなかった。豪ニュースサイトnine.com.auが、メドベージェフの悪役っぷりを物語るエピソードを紹介している。

大会開催前、男子シングルスで圧倒的な強さを見せつけると思われていたのは世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)だった。だが、新型コロナワクチンを接種していなかったジョコビッチは、最終的にオーストラリア政府から入国を認められず、大会開幕前日に国外退去となった。

もしジョコビッチが「全豪オープン」に出場していたら、ブーイングを受け、観客の一番の敵となっていたのは彼だっただろうと言われている。だがジョコビッチ不在の中、観客のフラストレーションのはけ口となったのはメドベージェフであり、メドベージェフもまた悪役となる理由を与えてしまった。

これまでも、メドベージェフは観客に人気の選手だったとは言い難い。昨年ジョコビッチと対戦した「全米オープン」決勝の第3セットで、優勝をかけてサーブを打つメドベージェフに対し観客はブーイングし続けた。また、数年前の「全米オープン」でも観客を煽る発言をしたことがあった。

今年の「全豪オープン」でのメドベージェフと観客との“闘い”は2回戦から始まった。地元出身のニック・キリオス(オーストラリア)を4セットで下したメドベージェフだが、試合中にキリオスの熱心なファンがテニスの試合のマナーを無視した声援を送り、これに他の観客が乗ってしまった。試合に勝利したメドベージェフは、直後にコートで行われたインタビューでもブーイングがあまりに大きく、インタビュアーのジム・クーリエ(アメリカ)の声が聞こえないと、次のように観客に訴えた。「みんな、彼の声が聞こえないよ。お願いだからジム・クーリエに敬意を払ってくれ。彼はここで優勝してるんだ」

しかし、その後Eurosportのインタビューで、「IQが低い人間もいるってことだと思うよ」と語ったのが観客の神経を逆撫でした。

4回戦のマキシム・クレッシー(アメリカ)戦では、主審に詰め寄るメドベージェフの姿が見られた。クレッシーがショットクロックを守らずサーブに時間をかけていること、そして審判がそれを注意しないことにイライラしたようだ。

「これじゃ競技出来ないだろ。あんたは7秒待って、(ショットクロックの)0を見て、何も言わないのか!誰のためのルールだ?一体誰のためのルールなんだ?」とメドベージェフは息巻いた。

ステファノス・チチパス(ギリシャ)と対戦した準決勝でも、再びメドベージェフは主審に怒りの言葉をぶつけた。この時は、スタンドに座るチチパスの父親がコーチングをしていると訴えた。「彼の父親はポイントごとにコーチングしていいのか?あんたはバカか?」とメドベージェフは主審に向かって叫んだ。「僕の質問に答えてくれよ!彼の父親はポイントのたびにしゃべっていいのか?なんてことだ、あんたは役立たずだ。グランドスラムの準決勝でそんな役立たずでいいのか?僕を見ろよ。僕はあんたに喋ってるんだよ」

試合に敗れたチチパスは、メドベージェフの行動に笑うことしか出来なかった。「面白いけど、ああいうことには注意を払わないんだ」とチチパスは試合後に語った。「相手を精神的にうろたえさせるためにこういうことをしたがる選手がいるんだ。戦略なのかもね。でもそんなもんさ。彼はすごい成熟した人間ってわけでもないしね」

試合後のインタビューで挽回するチャンスを与えられたメドベージェフだが、それもあまりうまくいかなかった。再びインタビュアーとして登場したクーリエは、翌日行われるアシュリー・バーティ(オーストラリア)とダニエル・コリンズ(アメリカ)の女子シングルス決勝をどうやって観戦するか、とメドベージェフに質問。メドベージェフはこれに対し、夕飯を食べるから見られないと答え、観客の不興を買った。メドベージェフは慌てて「携帯で見るよ!見る予定さ」と答えを修正した。

決勝に進む頃には、メドベージェフは観客からすっかり悪役扱いされるようになってしまった。さらに分の悪いことに、対戦相手はみんなのヒーロー、ラファエル・ナダル(スペイン)だ。そして試合は筋書き通り、ナダルが歴史的な決勝戦として語り継がれるであろうフルセットの競り合いを制し、メドベージェフを破った。

決勝でも、メドベージェフのイライラは爆発した。まず、ボールキッズがボールを渡すためにコートの周りを走るのが気に食わなかったようで主審に抗議。さらに、静まらない観客に対して注意をするよう繰り返し主審に申し入れた。

「ファーストとセカンドサーブの間に叫び声を上げるやつはバカだって伝えてくれないか」とメドベージェフは再び観客への侮辱を交えながら主審に訴えた。

トロフィー授与式でも、ナダルの隣で不満げな表情で何かをつぶやくメドベージェフの姿を豪スポーツメディアのチャンネル9が捉えていた。

メドベージェフは、特にブレークチャンスを生かせなかったあとに苛立つ様子を見せることが多かった。来年の「全豪オープン」に出場するとなったら、間違いなく優勝最有力候補の一人となるだろうメドベージェフだが、果たして観客のお気に入りの選手になれるかどうかは彼の今後の振る舞い次第だろう。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」でのメドベージェフ
(Photo by Quinn Rooney/Getty Images)

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