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全豪決勝で4度目。ナダルの2セットダウンからの逆転勝利を振り返る

「全豪オープン」でのナダル

長年悩まされてきた足の怪我のせいで昨年8月から戦線離脱していた元世界王者ラファエル・ナダル(スペイン)。12月のエキシビション大会でコートに復帰したが、その後、新型コロナウイルス感染が判明し、「全豪オープン」出場さえ危ぶまれていた。だが前哨戦だった「ATP250 メルボルン」で、昨年5月の「ATP1000 ローマ」以来となった優勝を遂げると、全豪では2019年以来3年ぶり6度目の決勝進出。第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に2セットを先取されながら、2-6、6-7(5)、6-4、6-4、7-5という大逆転勝利を挙げた。

「全豪オープン」の決勝で2セット先取された選手が逆転したのは、1965年にロイ・エマーソン(オーストラリア)がフレッド・ストール(オーストラリア)を破って以来のことだった。そしてナダルにとっては、21年にわたる華やかなキャリアを通じて、わずか4回目の2セットダウンからの逆転勝利だった。

ナダルがこの前それを成し遂げたのは、なんと15年近く前の2007年「ウィンブルドン」でのミカエル・ユーズニー(ロシア)戦だ。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが、それらの4試合を振り返った。

■2005年「ATP1000 マドリード」決勝 イバン・ルビチッチ(クロアチア)に3-6、2-6、6-3、6-4、7-6(3)で勝利
試合前から、ナダルにとって難しい試合となるであろうことは予想されていた。両者はその年それまでに2度対戦し、1勝1敗だった。そして3度目の対戦では、最初の2セットでナダルが合計5ゲームしか取れなかったので、勝利はますます困難に見えた。マドリードのサーフェスは2009年にクレーに変わるまではハードコートで、ルビチッチのビッグサーブを返すことは簡単ではなかった。

だがナダルは当時19歳にして、既に鋼鉄のような意志を持っていた。地元の観客の大きな声援に後押しされてナダルはじりじりと盛り返し、ルビチッチに32本のサービスエースを決められ、総ポイント数では145対154と負けていながら、3-6、2-6、6-3、6-4、7-6(3)の逆転勝利を掴んだ。

「確かに、とても難しい試合だった。2セット先取されて、ルビチッチは素晴らしいテニスをしていた。彼が信じられないようなプレーをして、すごいサーブを打っていたから、(序盤は)何もできなかったよ」と当時ナダルは語っていた。

■2006年「ウィンブルドン」2回戦 ロバート・ケンドリック(アメリカ)に6-7(4)、3-6、7-6(2)、7-5、6-4で勝利
それから1年も経たない翌年の「ウィンブルドン」2回戦で、ナダルはまたもビッグサーバーのケンドリックと対戦。当時世界ランキング237位だったケンドリックは、ルビチッチほどの脅威とは見なされていなかったが、グラスコートでナダルを苦しめるだけのパワーを持っていた。

当時は、ナダルがグラスコートでどれほどの力を発揮できるかはまだわかっていなかった。ナダルは2003年と2005年に「ウィンブルドン」に出場し、通算3勝2敗だった。つまり、ナダルが同大会で2度の優勝を遂げる以前の話だ。ケンドリックはあと2ポイントで勝利というところまでいったが、ナダルが逆転。3回戦ではアンドレ・アガシ(アメリカ)を倒して決勝まで行ったが、ロジャー・フェデラー(スイス)に敗退。フェデラーを倒して栄冠を掴むまでには、あと2年を待たねばならなかった。

2回戦の勝利についてナダルは「とてもタフだった、彼はすごくいい試合をしたから。僕もいいプレーをした。最後まで良い態度で試合ができた。だから勝てて嬉しいよ」と語った。

■2007年「ウィンブルドン」4回戦 ユーズニーに4-6、3-6、6-1、6-2、6-2で勝利
「ウィンブルドン」で初めて決勝に進出して1年後、ナダルは後に「全仏オープン」で初めて彼に勝利するロビン・ソダーリング(スウェーデン)との3回戦に、辛くもフルセットで勝利する。そして4回戦はそれよりさらに厳しい戦いとなった。

当時世界13位だったユーズニーは多彩なショットを駆使して2セットを先取する。ユーズニーは直近の3度の対戦で2度勝利しており、その中には2006年「全米オープン」準々決勝での4セットマッチもあった。だがナダルは10回あったブレークチャンスのうち6回を生かして何とか勝利。2年連続で決勝に進出し、2年連続でフェデラーに敗れた。

ユーズニーとの戦いについて、ナダルは以下のように話した。「ユーズニーはとても良いプレーをしていた。僕は最高のテニスができていなかった気がする。だけど、彼が良いプレーをしていたのは事実だ。だからこそ、僕は良い試合ができなかったと思う。少し防御に回ってしまった。彼のテニスはこのサーフェスにとても合っている。彼はずっととてもフラットで速いボールを打ってきた。そして彼のサーブは高くバウンドしないから、とてもタフだった」

「最初の2セットの後、残りの3セット、僕はグラスコートでこれまでの人生で最高の試合をしたかもしれない」それでもナダルはここでの優勝まで、あと1年待たなければならなかった。

■2022年「全豪オープン」決勝 2-6、6-7(5)、6-4、6-4、7-5でメドベージェフに勝利
2021年8月の「ATP500 ワシントンDC」以降、左足の怪我のため2022年1月まで公式戦から遠ざかっていたナダルは、「全豪オープン」での自身のチャンスをさほど大きいようには語らなかった。あまり時間もない中で、世界の強豪たちを相手に5セットマッチを戦えるよう準備するのは難しいに違いない。

だが、できなくはなかった。

決勝でナダルは全米覇者メドベージェフに、2-6、6-7(5)、2-3とリードされ、自らのサービスゲームで0-40と3度のブレークポイントを握られる。だがナダルは何とかしてそれを凌ぐと、そこからギアを上げた。

「もちろんあの瞬間がカギだった。でもスポーツは予測できないものだ。最後まで戦っても、あの状況では普通ならストレートで負けていただろう。でも僕には、第2セットにも大きなチャンスがあった」

「試合の間中、自分に言い続けた。ここ(全豪)ではチャンスがありながら何度も負けた、ちょっと運がなかった時もあった。最後まで信じ続けたかった。自分自身にチャンスをあげたかった」

そしてナダルはそうした。メドベージェフは第5セットに立て直し、試合の流れはジェットコースターのようにめまぐるしく変わった。ナダルは5-4でサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームでブレークを許したが、次のゲームでブレークバック。2度目のサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第12ゲームで、今度こそ試合を決めた。そうしてナダルは、オープン化以降で初めて「全豪オープン」の決勝で2セットダウンから逆転勝利した選手となったのだ。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」でのナダル

(Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)

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