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ベレッティーニとシナーが作る新しいイタリアのテニスの歴史

ATPカップでのチーム・イタリアのメンバー

2022年シーズンの冒頭、チーム・イタリアは国別対抗戦「ATPカップ」で準決勝進出を逃したが、イタリア人選手たちが新シーズンに足跡を刻むのは時間の問題に過ぎなかった。マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)とヤニク・シナー(イタリア)がそれを現実のものとするのに時間はかからなかったのだ。ATP(男子プロテニス協会)の公式オンラインメディアが伝えている。

ベレッティーニとシナーは揃って「全豪オープン」で準々決勝に進出。彼らはこの時点で、イタリアテニス界の更なる歴史を刻む可能性を残していた。残念ながらシナーが準々決勝で敗れて実現しなかったが、もし2人が共に準決勝に勝ち上がっていれば、複数のイタリア人選手が同一のグランドスラムで準決勝に進出した史上2度目の大会となっていたのだ。前回これが達成されたのは1960年の「全仏オープン」で、この偉業を成し遂げたのはニコラ・ピエトランジェリ(イタリア)とオーランド・シローラ(イタリア)の2人だ。オープン化以降にこれを達成したイタリア人選手はいない。

しかし、ベレッティーニとシナーに関する最も興味深いことは、おそらく彼らの独特のプレーと道のり、そして性格だ。ある意味では彼らは似ている。2人とも力強い試合をする選手で、コート内外を通じて選手仲間から最大級の敬意を払われている。しかし、2人の出自はかなり違う。

準々決勝でシナーと対戦したステファノス・チチパス(ギリシャ)は、2人を比較してこう語った。

「マッテオはヤニクよりも重いサーブを打つ選手だと思う。つまり、彼の方がパワーと精確さのあるサーブを打つことができて、サーブによってヤニクよりも多くのフリーポイントを取ることができる。ヤニクは、ベースラインでの打ち合いではより才能ある選手だと思う。彼はプレー中、とてもリラックスしているように見える。コートにいる時にあまり緊張を見せない。少し感情的に見えるマッテオと比べると、かなり冷静だ」

「ウィンブルドン」でのベレッティーニ(Photo by Mike Hewitt/Getty Images)

これは、ベレッティーニへの侮辱では決してない。性格という点では、ベレッティーニは炎に近く、シナーは氷に近い。ベレッティーニはシナーよりもすぐに大声で雄たけびを上げて拳を突き上げるが、シナーは試合の浮き沈みを通して平静を保つ。

テニスに目を向けると、ベレッティーニの試合は強力なサーブとフォアハンドを基盤としており、可能な時にはこれに続いてネット際に出る。シナーはリターンに優れており、フォアとバック両側から強力な球を打ち、ベースラインから対戦相手に対する優位を維持する。

最近引退したイタリア人選手パオロ・ロレンツィは、ツアーに参戦し始めた頃からこの2人を知っている。ロレンツィによると、彼らは何よりもまず「本当にいい奴らで、それが一番大事なことの一つ」だという。

「ヤニクはマッテオよりも少しだけ内気だと思うけど、もちろん彼をよく知れば、冗談を言うし、楽しい奴だよ。2人にはたくさん共通点もある。どちらも努力家で、長年同じコーチに師事しているし、いい友人同士になりつつある。(国別対抗戦の)“デビスカップ”と“ATPカップ”は大いに2人の役に立ったと思うよ。2人ともテニスに夢中で、グランドスラムで優勝したがっているからね。同じ目標があると、友達になってお互いから学ぶことができる」ロレンツィはこう語った。

ベレッティーニは、同胞シナーの成熟した様を称賛している。「ヤニクはすごく若いけど、年齢よりずっと大人だ。楽しみ方を知っているけど、力の注ぎ方も知っている。彼がやっていることが立派なのは、彼の姿勢やものごとへの対処方法によるものだと思う。そういうふうに彼は本当に成熟していて、それが彼がとてつもない結果を出している理由の一つだ」

ある意味、ベレッティーニはシナーが辿るべき道筋を切り開いてきた。2019年にファビオ・フォニーニ(イタリア)が世界ランキングトップ10に入った3人目のイタリア人男子選手となった後、ベレッティーニはその年のうちに「全米オープン」で準決勝に進出し、すぐにそれに続いた。それ以来、彼はトップ10から陥落していない。

今回の「全豪オープン」でベスト4に勝ち進んだことにより、25歳のベレッティーニは全ての四大大会でベスト8以上に勝ち上がった経験を持つこととなった。そして準々決勝でガエル・モンフィス(フランス)に勝利したことで、アドリアーノ・パナッタ(イタリア)と並んで史上2番目に多くグランドスラムの準決勝に進出したイタリア人男子選手となった。

「僕が素晴らしいことをしているということだね。若い頃は自分にこんなことができるなんて全然思っていなかった。ここでジュニアの部に出ながら、たぶん自分は予選に出るかもしれないって考えていたのをいつも思い出すよ。だから、いい気分だよ」とベレッティーニは話した。

「ATP1000 マイアミ」でのシナー(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

忘れがちだが、シナーはまだ20歳だ。そして彼は昨年11月に世界ランキングトップ10にたどり着いた。ベレッティーニがその年齢の頃は、世界500位にも入っていなかった。

シナーは複数のスポーツに注力しながら子ども時代の大半を過ごした。オーストリアとの国境に近いサン・カンディド出身のシナーは、同世代の中ではイタリア全土で屈指のスキーの腕前を誇っていた。しかし10代になって間もなくテニスに集中するようになると、シナーは振り返らなかった。今もシナーは完全に未来に集中しており、何よりも重要なことに、毎日腕を上げている。

チーム・イタリアが「ATPカップ」で敗退した後、記者に「全豪オープン」までの1週間の予定を尋ねられたシナーは、老練なベテランのような回答をした。

「まだわからないよ」と言って微笑んでから、「でも毎日練習だと思う」と答えたのだ。

※写真はATPカップでのチーム・イタリアのメンバー
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)

(WOWOWテニスワールド編集部)

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