2021年ももうすぐ終わり。それに合わせて、世界ランキングを元に、今季活躍した日本人選手たちを振り返ってみよう。今回取り上げるのは、女子シングルスのトップ10選手たちだ(ランキングは12月20日時点のもの)。
■大坂なおみ(日本/日清食品)
最新世界ランキング:13位
今季最高ランキング:2位
■土居美咲(日本/ミキハウス)
最新世界ランキング:105位
今季最高ランキング:75位
■日比野菜緒(日本/ブラス)
最新世界ランキング:128位
今季最高ランキング:71位
■本玉真唯(日本/島津製作所)
最新世界ランキング:150位
今季最高ランキング:150位
■奈良くるみ(日本/安藤証券)
最新世界ランキング:186位
今季最高ランキング:153位
■日比万葉(日本/グラムスリー)
最新世界ランキング:205位
今季最高ランキング:172位
■宮崎百合子(日本/メディロム)
最新世界ランキング:222位
今季最高ランキング:214位
■内藤祐希(日本/亀田製菓)
最新世界ランキング:262位
今季最高ランキング:169位
■村松千裕(日本/グラムスリー)
最新世界ランキング:348位
今季最高ランキング:211位
■岡村恭香(日本/橋本総業ホールディングス)
最新世界ランキング:373位
今季最高ランキング:238位
日本人唯一の世界ランキングトップ20入りとなった大坂なおみ(日本/日清食品)。ただし今季はメンタルヘルスを優先したため、出場したのは9大会にとどまった。「全豪オープン」でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らを破って4度目のグランドスラム優勝を遂げた後、世界ランキングは3位から2位にアップ。しかし「全仏オープン」では記者会見に出席しないという決断が大きな論争を招き、最終的に2回戦を前に棄権することに。その後、「東京オリンピック」のタイミングで復帰したが3回戦敗退。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ「全米オープン」でのちに準優勝するレイラ・フェルナンデス(カナダ)に敗れた後は休養を取ったことで、10月4日付のランキングで3年ぶりのトップ10圏外(12位)に。最終的に13位でシーズンを締めくくっている。
大坂に次ぐ日本人ナンバー2の座は土居美咲(日本/ミキハウス)。ツアーレベルでベスト8以上に進むことはなかったものの、シーズンを通して積極的に大会に参加。さらに予選を何度も勝ち進み、「WTA1000 ドーハ」や「WTA1000 マドリード」の本戦にも出場した。「WTA1000 インディアンウェルズ」では本戦ストレートインを果たしている。「東京オリンピック」では、のちに金メダルを獲得するベリンダ・ベンチッチ(スイス)の前に2回戦敗退。世界ランキングはシーズン当初の83位から「全米オープン」後に115位まで下がるが、シーズン終盤にITF大会で優勝したことで105位と盛り返した。
日比野菜緒(日本/ブラス)は、グランドスラム本戦でこれまで3勝しか挙げていなかったが、今年は「全米オープン」を除く3大会で1回戦を突破。「ウィンブルドン」では3度目の出場にして初白星を手にした。さらには「WTA250 チャールストン」でベスト8に進出。一方で初戦敗退の多さが響き、当初73位だった世界ランキングは128位までダウンすることになった。
22歳の本玉真唯(日本/島津製作所)は、シーズン序盤の345位から200近くランクを上げてキャリアハイの150位に到達と、今シーズン特に飛躍を遂げた一人。当初はITF大会に出ていたが、そこで次第に結果を残せるようになり、優勝・準優勝を2回ずつ達成。ハイライトは「WTA500 シカゴ」で、予選から勝ち進んでツアー本戦初出場を果たすと、元世界4位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)らを下して準々決勝に勝ち進んだ。直後の「WTA1000 インディアンウェルズ」でも予選を突破している。
奈良くるみ(日本/安藤証券)は、ITF大会で2度ベスト4に進出。さらに予選から参戦した「WTA500 チャールストン」で3回戦まで駒を進めたが、グランドスラムではすべて予選で敗れてしまい、2012年以来に一度も本戦でプレーすることができなかった。160位でスタートした順位は、チャールストン大会後に153位まで上がったものの、最後は186位まで下がっている。
上々の滑り出しを見せたのは日比万葉(日本/グラムスリー)。今季最初の大会「WTA500 メルボルン」で初戦突破、さらに「全豪オープン」では予選3試合すべてでストレート勝ちを収めて、2015年「全米オープン」以来2度目のグランドスラム本戦出場を果たす。しかしその後は初戦敗退も多く、シーズン当初に182位だった世界ランキングは8月に約2年ぶりの200位圏外(215位)に。終盤に多少盛り返して205位でフィニッシュとなった。
本玉に続いて世界ランキングでキャリアハイを更新したのが宮崎百合子(日本/メディロム)。プロ入りした2019年当時は600位台だったが、少しずつ順位を上げ、今年8月に初の200位台(297位)、11月15日に自己最高の214位に到達した。主にITF大会でプレーしており、今年は優勝、準優勝を2回ずつ成し遂げている。10月には「WTA250 クルジュ=ナポカ」でWTAツアー大会に初参戦するも、予選2回戦で敗れた。
日本人トップ10最年少となる20歳の内藤祐希(日本/亀田製菓)も、今年キャリアハイを記録した一人。ブエノスアイレスで開催されたITF大会で、2019年以来の優勝を果たし、自己最高の169位をマークした。その直後には、国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」プレーオフで当時世界5位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)相手に接戦を演じた。WTAツアーでは、8月に行われた「WTA250 クルジュ=ナポカ」で本戦デビューを飾るが、元世界39位のアレクサンドラ・クルニッチ(セルビア)との1回戦で無念の途中棄権。
内藤に続くのは、同じく「ビリー・ジーン・キング・カップ」のプレーオフに出場していた村松千裕(日本/グラムスリー)。しかし、BJK杯以降の13大会連続で初戦敗退。それに伴い、シーズン初めは211位と、キャリアハイの205位とあまり変わらなかった世界ランキングはどんどん下がってしまい、348位でシーズンを終えることになった。
岡村恭香(日本/橋本総業ホールディングス)は今季「全豪オープン」やWTA大会で予選の1回戦を突破できず。主戦場とするITF大会ではベスト4へ1度、ベスト8へ2度勝ち進んだ一方、13回の初戦敗退を喫しており、238位でスタートした世界ランキングは373位まで下がってしまった。
次回は、男子ダブルスをお届けする。
(テニスデイリー編集部)