今年も終わりが近づく中、テニス界ではATP・WTA・ITFがそれぞれ年間アワードを発表するなど、スポーツ界で多くのアスリートが名誉ある賞の候補になったり受賞したりしている。そんな中、ある不名誉な賞に元世界ランキング18位のブノワ・ペール(フランス)がノミネートされてしまった。
これは英Guardian紙が行っているもので、「アンチ・スポーツ選手賞(The Anti-Sports Personality of the Year awards)」。スポーツ界で輝かしい功績を挙げた人を称える一般的な賞とは逆に、スポーツに関わる者としてあるまじき行為をした人がピックアップされている。Guardian紙はこの賞について、「BBCの年間スポーツ選手賞に対する一種のアンチテーゼであり、我々のお気に入りのズルい奴やヴィランを集めた」と説明する。
その一人として候補入りしたペールは、選出理由として今年3月の大会でしでかした唾吐き行為ややる気のないプレーが挙げられている。
ペールは今季出場した31大会のうち20大会で初戦敗退。新型コロナウイルスの影響で成績上位者の賞金が削られる一方、早々に敗退した場合の賞金が増やされたことに不満を述べていたが、低調なパフォーマンスで早期敗退を繰り返し、賞金を効率的に稼ぐためにあえてそういう行動を取っていることを匂わせるコメントをしていた。また、「全豪オープン」では隔離生活をはじめとした運営方法を痛烈に批判。
さらに3月の「ATP250 ブエノスアイレス」では主審の判定に不満を示してコートに唾を吐き、1回戦でストレート負けを喫した「ウィンブルドン」ではやる気のないプレーにより罰金を科された。後者で「人々の時間を無駄にした」と批判されたことに対して、ペール本人は「他人のことなんてどうでもいい。俺は自分のためにプレーしているだけだ」とやり返している。そうした行為を繰り返した結果、オリンピックの代表チーム選考外となった。
テニス関係者ではペールのほか、「東京オリンピック」でチェコ代表チームの新型コロナウイルス感染続出を招いたチームドクターが候補に挙がっている。WTAツアーに参戦している選手たちとも働いたことのあったこの医師は、東京到着後にコロナ陽性と判明。彼はワクチンを接種しておらず、感染対策は一日何度もマウスウォッシュを使うことだったという。その結果、6人の選手と1人のコーチが出場を辞退せざるを得なくなった。
ほかには、「東京オリンピック」の近代五種女子で馬を殴ったとして失格になったキム・レイズナー監督(ドイツ)など計7人がノミネートされている。
(テニスデイリー編集部)
※写真は2020年「全豪オープン」でのペール
(Photo by Hannah Peters/Getty Images)
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