2021年のテニスシーズンが終わったが、最も印象に残った選手は誰だろうか?テニスワールドの公式Twitterでアンケートを実施、そこでテニスファンから多くの票を集めた選手たちのシーズンを振り返っていこう。前回の男子編に続いて今回は女子編をお送りする。
■1位:エマ・ラドゥカヌ(イギリス)
首位は、ツアー1年目に18歳で全米女王となったエマ・ラドゥカヌ(イギリス)。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した「ウィンブルドン」で地元選手唯一の4回戦進出を果たすと、「全米オープン」でイギリス人女子選手として44年ぶりのグランドスラム優勝を成し遂げた。グランドスラムで予選から参加した選手が優勝したのは男女通じて初の快挙、しかも第11シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)、第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)といった格上の選手たちを次々と下して決勝までの10試合すべてストレート勝利を収めるなど、数々の偉業を達成した。今シーズン初めに345位だった世界ランキングは19位まで浮上。その活躍を受けて英政府が公共テニスコートに2200万ポンド(約33億円)の資金提供を決定するなど、イギリスのテニス界の強化に一役買っている。ルーマニアや中国にルーツを持つシンデレラガールは多くのスポンサーを惹きつけ、コート内外で注目の存在となっている。
■2位:青山修子(日本/近藤乳業)/柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)ペア
1位と僅差で2位につけた青山修子(日本/近藤乳業)と柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)のペアは、今季ツアー最多タイ の5回優勝。シーズン序盤にアブダビとメルボルンで続けて500大会を制し、「WTA1000 マイアミ」ではキャリア最大のタイトルを獲得。グラスコートのイーストボーンも制覇している。グランドスラムでは「全豪オープン」で2020年の「全仏オープン」以来のベスト8に勝ち進み、「ウィンブルドン」では日本人同士のペアとしては史上初の女子ダブルスベスト4進出という快挙を果たした。さらに世界のトップ8組のみが出場できるシーズン最終戦「アクロンWTAファイナルズ・グアダラハラ」に初めて参戦し、準決勝まで進出した。シーズン成績は39勝18敗。世界ランキングはそろって5位と、自己最高を更新している。そうした活躍を受けて、WTAアワードの「ダブルスチーム・オブ・ザ・イヤー賞」にノミネートされた 。
■3位:大坂なおみ(日本/日清食品)
3位の大坂なおみ(日本/日清食品)は2年ぶりに「全豪オープン」で優勝。準決勝で第10シードのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を破ると、決勝では第22シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)に勝利し、グランドスラムでの優勝回数を4に伸ばした。その後、「全仏オープン」開幕直前に、メンタルヘルスのために試合後の記者会見に出席しない旨を発表。大きな反響を引き起こした結果、2回戦を前に棄権することになったが、最終的にはアスリートのメンタルのために声をあげた姿勢が高く評価されることに。テニスの枠を超えて世界各国のアスリートに長らくタブーとされていたメンタル問題について語る勇気を与えるとともに、対面での記者会見を免除される機会ももたらした 。「東京オリンピック」では3回戦敗退を喫したものの、開会式で聖火の最終ランナーを務めた。3回戦敗退に終わった「全米オープン」を最後に、しばらく休養を取ることを宣言。その言動が世界で注目される彼女は、人種差別、性差別といった様々な問題にも積極的に意見を発している。
■4位:アシュリー・バーティ(オーストラリア)
ツアー最多の5タイトルを獲得して4位にランクインしたのはアシュリー・バーティ(オーストラリア)。2020年はパンデミックの影響を受けて2月以降プレーしていなかったが、今年は国内外の大会に積極的に出場。約1年ぶりの公式戦となったメルボルン大会で早速優勝、「WTA1000 マイアミ」や「WTA1000 シンシナティ」も制し、「ウィンブルドン」初優勝も果たした。また、「東京オリンピック」の混合ダブルスで銅メダルを手にしている。しかし「全米オープン」を最後にシーズン終了、「アクロンWTAファイナルズ・グアダラハラ」は棄権した。
■5位:オンス・ジャバー(チュニジア)
5位に入ったのは、アラブ系女子選手として数々の記録を樹立するオンス・ジャバー(チュニジア)。「WTA250 バーミンガム」でツアーレベル初のタイトルを獲得したほか、「WTA500 シカゴ」など2大会で準優勝、「WTA1000 インディアンウェルズ」でベスト4。「ウィンブルドン」ではビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、イガ・シフィオンテク(ポーランド)というグランドスラム女王たちを下してグランドスラム準々決勝進出を果たした。「アクロンWTAファイナルズ・グアダラハラ」への出場権は惜しくも逃したものの、11月にはキャリアハイの世界7位に到達している。
※為替レートは2021年12月13日時点
(テニスデイリー編集部)
※写真は「アクロンWTAファイナルズ・グアダラハラ」ドローセレモニーでの青山(左)と柴原(右)
(Photo by Hector Vivas/Getty Images for WTA)
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