• 【実際の写真】パリ大会開幕に向けてメドベージェフと練習したジョコビッチ

• 【ドロー表】ジョコビッチも出場！「ATP1000 パリ」

「全米オープン」の決勝で世界2位のダニール・メドベージェフ（ロシア）に敗れて年間グランドスラム達成の夢が潰えた後、しばらくツアーから離れていたジョコビッチだが、「ATP1000 パリ」で新たな偉業を成し遂げる可能性がある。それはキャリア通算7度目となる世界1位でシーズンを終えること。実現すれば、歴代最多タイで並ぶピート・サンプラス（アメリカ）を抜いて、単独トップに立つ。ジョコビッチが「ATP1000 パリ」でそれを達成するいくつかのシナリオを紹介しよう。

・メドベージェフの結果に関係なく、ジョコビッチが優勝
・ジョコビッチが決勝に進出し、メドベージェフが優勝を逃す
・ジョコビッチが準決勝に進出し、メドベージェフが決勝の前に敗れる
・ジョコビッチが準々決勝に進出し、メドベージェフが準決勝の前に敗れる
・ジョコビッチが3回戦に進出し、メドベージェフが準決勝の前に敗れる
・ジョコビッチの結果に関係なく、メドベージェフが準々決勝の前に敗れる

1位のままシーズンを終えることについてジョコビッチはこう話す。「シーズンを1位で終えられるかどうかはメドベージェフと僕次第だけど、僕は狙えると思っている。“デビスカップ”で良い成績を残すこと以外では、もちろんそれがシーズンを終えるにあたっての一番の目標だよ。だから良い形でシーズンを締めくくって、1位で終えられることを願っている」

マスターズ1000大会で36回優勝しているジョコビッチは、この「ATP1000 パリ」も5回制覇。過去6回の出場のうち4回優勝し、残る2回も決勝と準々決勝に進出。第1シードのため1回戦を免除されるジョコビッチは、2回戦で世界37位のファビオ・フォニーニ（イタリア）と世界40位のマートン・フチョビッチ（ハンガリー）の勝者と対戦する予定となっており、過去の彼ら二人との対戦ではいずれも全勝している。ジョコビッチは自信を見せる一方で慎重な姿勢も示した。

「ツアーに戻って来られて嬉しいよ。この数週間はとても良いトレーニングができている。この大会でも何年も成功を収めてきたから、うまくやれると信じるに足る十分な理由がある。勝ち進めると思っているよ。そうはいっても、ここのところ試合数が少ないのはリスクになるから、初戦をいい形でスタートさせて、試合を重ねるごとに自分のフォームを確立し、できれば勝利して、このコートでより自信を持ってプレーできるようにしなければならない」

1ヶ月半ぶりに実戦に臨むジョコビッチは、ストレート負けを喫した「全米オープン」決勝からもポジティブなものを得られると考えているようだ。

「僕は長いキャリアを通して、敗北を成長のための絶好の機会と捉えられるようになった。“全米オープン”決勝での敗北は、自分にとって最悪のタイミングで訪れたとも言えるし、最高のタイミングで訪れたとも言えるだろう。もちろん試合に負けたことにはがっかりしたけど、観客からの愛やサポートを味わえたことは本当に幸せだった。これまでにニューヨークや、実は世界の多くの場所でも経験したことのないようなことだったからね。コートに最初に足を踏み入れた瞬間から立ち去るまでの間、観客からあのようなエネルギーを受けられたことは、人生最高の勝利と言っていい」

「もちろん一番理想的なシナリオは、4つのグランドスラムすべてで優勝することさ。それでもあと一歩のところまで来ることができたということは、今後に向けて大きな励みになると同時に、自分のゲームやキャリアに対して謙虚な気持ちになれた。さらに成長していくために練習で何をしなければならないかが理解できたんだよ」

「状況を考えると、あれはいつもとは違う負けだった。今シーズンは僕にとって本当に大変で、あらゆる面で大きな期待を背負っていた。でも、以前にも似たような状況を経験したことはある。その時も疲れ果てていたけど、何とか力を振り絞って最後まで戦い、シーズンを良い形で終えることができたんだ。今年もその再現ができればいいね」

ジョコビッチは「ATP1000 パリ」ではシングルスだけでなくダブルスにも出場。「ATPカップ」「ATP250 マヨルカ」に続くシーズン3回目のダブルスでは、世界42位のフィリップ・クライノビッチ（セルビア）とコンビを組む。シーズンのラストに向けてジョコビッチはどんな活躍を見せてくれるだろうか。

（テニスデイリー編集部）

※写真は「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Matt King/Getty Images)